
ОDM(Original Design Manufacturer)とOEM(Original Equipment Manufacturer)は、どちらも企業の製造を請け負うビジネスモデルですが、設計・開発の関与度や製品の独自性が大きく異なります。
ODMとOEMの比較表
下の表に違いを表でまとめました。
項目 |
ODM(Original Design Manufacturer) |
OEM(Original Equipment Manufacturer) |
意味 | 設計・開発・製造まで一貫して提供 | 委託企業の設計に基づき製造のみ提供 |
設計開発の主体 | ODMメーカー | 委託企業(クライアント) |
ブランド |
委託企業 (クライアント)のブランド |
委託企業 (クライアント)のブランド |
独自性 |
既存の設計を活用することが多いが、 カスタマイズ可能 |
クライアント独自の仕様が基本 |
コスト |
開発費用が低め (ODMメーカーの既存技術を活用) |
設計開発コストがかかる |
納期 |
短縮可能 (既存設計を活用) |
開発からスタートするため長め |
適用例 | スマートフォン、家電、化粧品、アパレル | 自動車部品、電子機器、医療機器 |
ODMとOEMの具体的な違い
①ODMの特徴
- メーカーが設計・開発を担当
クライアント企業は、ODMメーカーが設計した製品をそのまま、又は一部カスタマイズして販売する。
- 低コストで製品を展開できる
企業は開発にかかるリスクを低減し、迅速に市場へ投入できる。
- 例
スマートフォン業界では、中国のFoxconn(富士康)がAppleの一部製品をODMとして設計・製造。
化粧品業界では、日本の日本コルマーが多くのブランドの製品をODMとして供給。
②OEMの特徴
- クライアントの設計に基づく製造
クライアント企業が企画・設計した製品を、OEMメーカーが生産する。
- 独自の製品を生み出せる
クライアントの仕様通りに作るため、完全オリジナル製品が可能。
- 例
自動車業界では、トヨタが設計し、ダイハツがOEM製造するケースがある。
(例:ダイハツ製造の軽自動車をトヨタブランドで販売)
ODMとOEMの使い分け
ビジネスの目的 |
最適な選択肢 |
コストを抑えて素早く製品を市場に出したい | ODM |
オリジナル製品を作り、ブランドの差別化を図りたい | OEM |
製造ノウハウがなく、設計から任せたい | ODM |
設計は自社で行い、製造だけを委託したい | OEM |
ODMとOEMはどちらも製造委託の形態ですが、
ODMは「設計から製造まで任せる」、OEMは「設計は自社、製造を委託」する点が大きな違いです。
ODMの活用が適している企業
- 新規市場参入を考えている企業
- 開発リソースが不足している企業
- 低コスト・短期間での製品展開を求める企業
OEMの活用が適している企業
- 自社独自の製品を作りたい企業
- 設計やブランドに強いこだわりがある企業
- 既存製品の量産を委託したい企業
ODMは、特にスマートフォンや家電、化粧品などの分野で活発に活用されています。
一方でOEMは、自動車や電子機器など独自性が求められる業界で主流です。