米国電子申請システム「SNAP-R」とは


今回は、米国向け輸出を考えるときに避けて通れない「SNAP-R」という電子申請システムについて、わかりやすく解説していきます。

特に、

  • 「どうやって申請するの?」

  • 「在日米国大使館ってサポートしてくれるの?」

  • 「何から始めたらいいの?」
    こんな疑問を持っている方に向けてまとめました!


 SNAP-Rって何?

まず、SNAP-R(スナップアール)とは何かというと、
米国商務省・産業安全保障局BISが運営する電子申請システムのことです。

このシステムを使って、主に次のような手続きを行います。

  • 米国への輸出許可申請(ライセンス申請)

  • 製品が輸出管理対象かどうか確認する申請(CCATS)

  • ライセンスの修正・更新・取消手続き

つまり、アメリカの「輸出管理」に関するやりとりは、ほとんどこのSNAP-R上で行う、というわけですね!


 在日米国大使館は何をしてくれるの?

ここで気になるのが、
「在日米国大使館に行けば申請代行してくれるの?」
という点。

答えは、基本的に代行はしてくれません。

ただし!
以下のようなサポートは受けられます。

 

  • 輸出管理に関する基本的な質問対応

  • どの規制が適用されるか初期相談

  • 必要に応じて、米国本部(BIS)との連絡の橋渡し

  • 輸出管理に関するセミナーや説明会の紹介

 

つまり、「自分で申請するけど、迷ったら相談できる場所」と考えるといいでしょう。

さらに、上記の内容を日本語で対応してくれます。

また、電子申請システムを使用しない場合には、輸出許可申請書を在日米国大使館から入手することができます

ちなみに、相談窓口は米国大使館 商務部(U.S. Commercial Service Tokyo)が中心です。
「ECO(Export Control Officer)」という輸出管理の専門担当者もいますよ!


 SNAP-Rを使った輸出許可申請の流れ

それでは、実際にどんなステップで申請するのか、ざっくり流れを見ていきましょう!

1.アカウントを作る

まず最初に、SNAP-Rのアカウントを作成します。
ポイントは、会社単位で登録することです。

  • 会社登録をして「会社コード(CIN)」を取得

  • その後、個人のユーザーアカウントを作成

※申請には米国内企業が必要な場合もあるので、そこは注意!

2.申請書類を作成

次に、申請する内容をオンラインで入力していきます。

  • 輸出品情報(何を、どこに、誰に売るか)

  • エンドユーザー情報(最終使用者は誰か)

  • 製品仕様書など必要書類のアップロード

など、細かく入力が必要です。

3.申請して審査を待つ

入力が完了したら、そのままシステム上から提出します!
審査期間はケースバイケースですが、早くて数週間、長いと数か月かかることも。

4.許可証の受領

無事に審査が通ると、SNAP-R上に「ライセンス発行通知」が届きます!
これを受け取って、晴れて輸出ができるようになります。


 在日米国大使館に相談したい場合は?

もし、


「この商品はライセンス必要なのかな?」


「そもそもSNAP-R登録ってどうやるの?」


といった疑問があれば、在日米国大使館に相談してみましょう。

問い合わせ先はここ

また、ECO(Export Control Officer)宛てに問い合わせるとより専門的な回答がもらえます!


 最後に:注意点まとめ

  • 許可が下りる前に輸出すると違法です

  • SNAP-R登録は基本「米国内の企業向け」なので、日本企業の場合、米国子会社経由や、代理申請を検討するケースも

  • 軍需品や武器関連(ITAR対象)の場合は別システム(DDTC)で申請が必要!