船積み手続き①概要と流れ


一般的な船積み手続きの概要

輸出貨物船積み業務は、シッピングあるいはフォワーディングと呼ばれ、外航船舶に対する貨物受け渡しの接点となる港湾での作業が中心となっています。

この業務は輸出貨物船積み作業などの関連業務なども含み、主に海運貨物取扱業者(海貨業者)によって処理されています。

 


 

 

1.輸出貨物の流れ

輸出商品は、荷主の工場、あるいは梱包場などで、輸出、梱包規格に適したパッキングが施され、貨物としてトラック・鉄道・内航船などの輸送手段によって、港頭地区の保税地域(※上屋・倉庫)に搬送されます。

 

※一般的に搬出入貨物の積み替えや、通関のための一時通過貨物として、蔵置する場所を上屋、輸出入貨物を長期保管する場所を倉庫と呼んでいる。

 

 

貨物は、上屋搬入の際に、正常な状態で受け渡しされているか、貨物送り状と対比視認の上、搬入手続きを済ませて本船積みまでの間、一時保管・蔵置されます。

 

 

貨物搬入後は、それぞれの貨物を本船別・仕向け港別・さらに荷受人別に整理・統合するため、上屋内での仕分け・※はい替え作業や、運賃計算のための資料として容積・重量を計る検量業務が行われます。

 

※積み重ねられた荷物を崩して、別の場所に移動しそこで積み直すこと。

 

 

並行して通関手続きが始まり、必要な場合は検査場へ持ち込み、そこで検査機関の検品が行われます。

 

 

通関が済み、輸出許可が与えられた貨物は輸出手続きを経て出庫されます。

 

 

港湾における出庫作業は沿岸荷役なので、沿岸荷役業者によって在来貨物は荷捌きした上で、本船の船側まで、あるいははしけ積みして本船船側まで運ばれます。

 

 

コンテナ貨物の場合、1社の荷主の貨物で満たされたコンテナFCLコンテナ)は、コンテナ詰め作業の終了後、コンテナヤードCY)に搬入され、小口コンテナ貨物は、コンテナフロートステーション(CFS)に持ち込まれ、他の荷主の貨物と一緒にコンテナ詰めされて、FCLに仕立てられてCYに搬入されます。

 

 

CYに搬入されたコンテナ貨物は、船社の業務委託を受けたターミナルオペレーターによって、FCL貨物として本船に積み込まれます。

 

 

港湾における輸出貨物の本船までの引き渡しには、検数業者が立ち会うことによって、正確な貨物受け渡しが行われています。

 

 

輸出通関手続きを済ませて、本船への船積みが完了すると、海貨業者が作成した該当貨物の船荷証券(B/L)が運賃と引き換えに船社から発行されます。

 

 

下図は、このような貨物の大馬鹿な流れを時系列で並べたものです。

 

 

製造工場や物流施設からの輸出貨物の出荷から、本船への引き渡し、書類の作成までの業務は、本来は荷主が行う業務ですが、複雑で専門的な知識を必要とするので、一般港湾運送事業者(元請)や海貨業者に委託するのが一般的です。

 

 

一般港湾運送事業者は、船会社や荷主の委託により、港頭地区で、輸出入貨物の受け渡し及び、それに付随する荷役作業を行い、海貨業者(正式には海運貨物取扱業者)は荷主の代行として、

 

輸出では荷主から貨物を引き取って船会社に引き渡すまで、具体的には、貨物の引き取り、梱包、仕分け、保管、コンテナ詰め、検数・検量の立会い、通関手続き、横持ち、貨物の引き渡し、及びこれらの作業に付随する書類の作成等のサービスを提供します。