輸出還付金とは?①詳しい仕組みとメリット


今日は、農業や製造業に携わる方にも関係があるかもしれない「輸出還付金」について分かりやすく解説していきます。

「還付金」と聞くと、税金が戻ってくるようなイメージですよね?


まさにその通り!でも、なぜ輸出するとお金が戻ってくるのか?それには消費税のしくみが関係しています。


輸出還付金ってなに?

輸出還付金とは、「輸出取引で発生した仕入れにかかる消費税が、国から戻ってくる制度」のことです。

日本では、商品やサービスを販売するときに消費税(今なら10%)を上乗せして請求します。

でも、輸出に関してはちょっと特別。

輸出は非課税(正確には免税)」とされているんです。


もう少し詳しく!例で見てみよう

たとえば、あなたが農産物を加工して、海外に輸出しているとしましょう。

  • 国産の野菜を仕入れた → 消費税10%がかかる

  • 加工用の機械を買った → 消費税10%がかかる

  • 包装材を買った → 消費税10%がかかる

これらすべて、コストとして消費税を支払っているわけです。

でも、商品を海外へ輸出するときには、販売時に消費税を取れません免税だから

つまり……

仕入れや設備投資で消費税を払っているのに、売上では消費税をもらえない!

これでは損になってしまいますよね。

そこで登場するのが「輸出還付金」

輸出で得た売上に対応する仕入れや経費の消費税分を、税務署に申告すれば返してもらえるという仕組みなんです。


対象になる条件は?

以下のような条件を満たしていれば、輸出還付を受けられます。

1.消費税の課税事業者であること
 免税事業者(売上1000万円以下など)では対象になりません。

2.輸出取引が行われていること
 具体的には、税関を通して正式な輸出手続きを行ったもの。

3.消費税の申告をしていること
 還付を受けるには、きちんと申告書を提出する必要があります。


還付を受けるにはどうする?

手続きとしては、基本的に通常の消費税申告と一緒に還付申告を行うだけです。

ですが、以下の書類を用意しておくことが大切です。

  • 輸出許可書(税関が発行)

  • 仕入れや設備の領収書・請求書

  • 仕入税額控除の記録

還付金は申告から数カ月後に、指定口座に振り込まれます。


農業・中小企業にとってのメリット

農業法人や小規模事業者であっても、海外に販路があるならこの制度はとても有利です。

特に農産加工品などは、海外でのニーズも高まりつつあります。

還付されたお金は、次の投資や経費にまわせますし、資金繰りの改善にも役立ちます。


まとめ:輸出ビジネスをするなら、知っておいて損なし!

輸出還付金は、「海外にモノを売ると、税金が戻ってくる」ありがたい制度。
でも、きちんとルールに沿って申告しないと受けられません。

「輸出=消費税ゼロで売って終わり」ではない!
ちゃんと申告すれば、お金が戻ってくる可能性があるんです。

輸出にチャレンジしている方、これから始めようとしている方は、ぜひこの制度を活用してみてくださいね。