JAS認証制度


JAS認証とは?

JASとは(Japanese Agricultural Standards)の略であり、次の3つの規格・基準である。

 

★農林⽔産・⾷品分野において農林⽔産⼤⾂が定める国家規格

★伝統的には、国内市場に出回る農林⽔産・⾷品の品質や仕様を⼀定の範囲・⽔準に揃えるための基準

★取扱⽅法や試験⽅法についての基準を内容とする規格を制定できるよう拡充

 

 

規格・基準の例として、私の実家で米農家をしているので、そのお米(有機農産物)を具体例とすると、

 

・種まき⼜は植え付けの前2年以上、禁⽌された農薬化学肥料を使⽤しない

・ほ場に周辺から使⽤禁⽌資材が⾶来し、⼜は流⼊しないように必要な措置を講じている

・遺伝⼦組換え技術を使⽤しない

 

などが国の基準として定められています。

 


 

JAS制度で定められる規格の種類

JASは、①産品の品質・仕様だけでなく、②産品の⽣産・流通プロセス、③事業者による産品の取扱⽅法、④事業者の経営管理の⽅法、⑤産品の試験⽅法、⑥これらに関する⽤語など、多様な規格を制定可能になっています。

 

対象 内容(例) JASマーク
産品 ①品質・仕様 特定の原材料、成分等の農林⽔産・⾷品の規格 産品に表⽰可
②⽣産プロセス

 流通プロセス

特定の栽培法・製法で⽣産された農林⽔産・⾷品の規格など
事業者 ③産品の取扱⽅法 事業者による特定の栽培管理や飼養管理、品質・衛⽣管理、保管・輸送管理、販売管理、料理の調理や提供⽅法の規格 など官能評価員など、技量・⼒量に関する規格など 事業者の広告に表⽰可
④経営管理⽅法 事業者による労務管理、社会貢献に関する規格など
⑤試験⽅法 成分の測定⽅法・DNA分析⽅法の規格など 試験証明書に表⽰可

 

これらの規格に適合していれば、その内容が⼀⾒して分かる標語付きのJASマークの表⽰が可能になります。

 

このJASマークには、規格の種類や内容に応じて、平準化規格のJASマーク特⾊のある規格の有機JASマーク及び特⾊JASマークの3種類があります。

 

JASマークの近接した箇所に等級(等級のある規格に限る)や認証機関名(略称でも可)を記載することもでき、その規格の種類や内容を端的に⽰す標語を付与することもできます。

 

 


 

国際的に通⽤する認証の枠組み

JAS認証制度及び試験所制度の⼿続きには、国際的に信頼あるISO基準を採⽤しています。

 

JAS制度には、以下のような制度があります。

①モノ・サービス・取組などが規格に適合していることを第三者(登録認証機関)が確認する認証制度

②試験結果の信頼性を担保するため試験所の能⼒を確認する試験所制度

 

 

このJAS制度により、国内への影響力はもちろん、海外への活用事例が出てきているなど、生産者(事業者)、消費者にとってもメリットがある制度と言えるでしょう。

 

例えば、JAS認証事業者に対する優遇金利の適用があったり、国内の補助金での事例をあげると、JAS認証木材使用者に対する住宅建築補助金が出たり、

 

自衛隊非常食、学校給食、公共建築工事などで提供される(加工)食品に関しては、JAS認証があるものが調達基準になるなど、経済システムへの浸透も広がりつつあります。

 


 

JAS⼀覧(現時点:計92規格)

○飲⾷料品(53規格)

参考:JAS制度について(農林水産省)