
製品の海外輸送は、基本的に船が使われることが多い。
こうした船の予約(航空便での輸送についても同じ)のことを「船腹(せんぷく)予約」(ブッキング)と呼びます。
本来、輸出ビジネスは、買い手が見つかってしまえば、手続き自体はとても簡単であり、取引相手に商品を渡してしまえば基本的に終了。
渡し方も、できるだけ相手に費用もリスクも負担してもらえる条件で契約{例えば、工場渡し(EXW)}できれば、とても楽にできる。
船腹予約(ブッキング)の基本
ではその船腹予約の基本を例をあげて簡単に説明します。
CIFの船腹予約の場合の流れ(運賃を輸出者が負担する場合)
★輸出者が行うこと(STEP1~4まで)
STEP1:船会社の配船表で日程をチェックする
STEP2:輸入者との契約通りの日程に出荷できる船を選ぶ
STEP3:船を決定したら、船会社に連絡する
STEP4:コンテナや貨物の数量、容積、重量などをしっかり伝える
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船会社から輸出者に「船腹予約表」が送付される
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輸出通関手続きを経て、船積みを行う
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貨物の受配証明として船会社が「B/L」(船荷証券)」を発行し、通関業者を経て輸出者に送付される
とザっとだが大体の流れになる。
船会社は、以前から使っている会社ならそこでもいいし、初めての会社なら料金比較などをする必要がある。
当たり前だが、貨物の送り先(仕向地)に便のある船会社であることが前提。
しかし、最近では船会社に直接船舶予約をするということは少ない。
そのポイントはこれから紹介する「フォワーダー」という業者の存在です。
優秀なフォワーダーを見つけるには?
海外旅行に行く際、航空会社やホテルに直接、連絡を入れて予約するだろうか?
いないとはいわないが、そんな面倒くさいことはしないで、旅行代理店やネット仲介会社にアクセスする方が多いはずです。(おそらく)
輸出ビジネスも実は同じなのである。
一旦お任せしてしまえば、ブッキング以降の輸出関連手続きの多くを代行してくれる代理店が存在します。
それが「フォワーダー」である。
フォワーダーは貨物利用運送事業者(海貨業者)のことで、とくに国際輸送をメインに、貨物を預かりブッキングから保険手続き、通関、海上輸送までを一手に代行してくれる、とても便利な業者なのである。
例えば、海外への輸送を依頼し、もしこちら側の細部に不明確な点があれば、フォワーダー側で細かくチェックしてくれ、輸送に向けての準備万端を整えてくれる。
だから極端な話、フォワーダーに丸投げしてしまえば、たいていのことは完了してしまうのである。
ネットで「フォワーダー」と入力すれば、いくつもの業者のサービスや価格を比較したサイトがヒットするので、それらの中から条件に合う業者を選択すればいいでしょう。
また、一般社団法人国際フレイトフォワーダーズ協会のサイトの会員リストを見れば、国内のほとんどの会社がずらりと並んでいるので、立地なども考えつつ、問い合わせてみてもいいと思います。
輸出ビジネスにおいては信頼できるフォワーダーに巡り合うことがひとつのカギとなる。
フォワーダーも多種多様
フォワーダーもさまざまです、
それぞれサービスや価格設定などに違いや特徴がある。
ある会社は欧州は強いが中国は弱いとか、アジア全般をカバーしているなど、拠点の違いなどによる得意不得意な地域がある場合が多いです。
また、農作物や検疫の必要な貨物をより扱っているとか、医薬品などの薬事法に詳しいなどの特徴を持つフォワーダーもあります。
こうしたフォワーダー自身の特徴をきちんと把握し、自分の商品をどこに頼めばいいかを選択する。
たいていは、複数の候補を挙げて、それぞれ条件提示して相見積もりをとるべきだろう。
また、フォワーダーは一社に絞らず、貨物の内容や送り先によって、複数のフォワーダーを使い分け、リスク分散するという方法をとってもいいと思います。
フォワーダーの特徴は、連絡を取った時に「御社の強みは何か?」と直接たずねてみればいいと思います。
「うちは中国何か所にパイプがある」などと、きちんと教えてくれるはずです。
人付き合いと一緒で、相手のウリを知っておかないと、後々トラブルになることもあります。
仕事を依頼するにあたっては、信用できるか会社に頼みたいものですよね。
また、ここも大事なポイントになりますが、担当者自身のキャラクターも大事です。
案内してくれた担当者はその後の窓口になることが多い。
ある意味、その会社を代表して会っているわけだから、その担当者がやる気にあふれているか、つき合いやすそうな人柄か、信頼できそうかなど、担当者の熱意や人柄を知ることはその会社を判断するのに重要なポイントです。
都知木行政書士事務所では、信頼できるフォワーダーのご紹介も可能です。
また、輸出に関してのアドバイスや相談などもまずは無料で気軽に相談できる体制をとっています。
せっかくお会いできたにも関わらす、お客様によってはこちらの判断でお断りする場合もありますが、基本的には一度きりではなく、ビジネスの両面で長い付き合いができるような関係を築いていけることを望んでいます。
続いては、フォワーダーによる実際の輸出通関手続きについて解説します。
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