
日本人が海外と取引するうえで最も心配することと言えば、言葉の問題である。
もっと絞り込んでしまえば英語に対する不安だと思います。
中学や高校で受験用に英語を勉強しているせいで、訳す英語と書く英語ばかりが優先され、話す英語が後手に回りがちです。
またこれも受験の弊害だが、間違うことを極端にまで恐れているのである。
どうも私含め、日本人は完璧な英語を求めがちで、それができないと著しい劣等感に苛まれるようです。
だけど、ちょっと考えていただきたい。
英語を母国語にしている国は、世界中でどのくらいあるだろうか。
世界の人口は今や81億人を超えている。
そのうち、英語を母国語にしている国といえば、アメリカにイギリス、オーストラリアやカナダなど。
あとは、フィリピンなどが公用語として使用しているくらいです。
ある調査によれば、英語を母国語としているのは世界で約4億人だと報告しています。
そう、たった81億人分の4億人。
実に5%にも満たないのでです。
なのに、英語は世界の共通言語として扱われている。
ということは、母国語ではない言語を世界中の人々が話しているということなのである。
実はここが伝えたいとても重要なことです。
日本人は確かに英語はへたかもしれない。
だけど、自分だけではなく相手も英語は完璧ではないということなのです。
シンガポールには「シングリッシュ」と呼ばれる現地なまりの英語があります。
他にもチャイニーズイングリッシュ、オージーイングリッシュなど、「ご当地英語」があります。
英語の本場であるイギリス人にいわせれば、アメリカ人でさえなまった英語を話しているということです。
国の数だけ英語があるのだから、ジャパニーズイングリッシュを恥じることなどないと思います。
英語はただのコミュニケーションツールであり、そこに美しさとか発音の良さなどを求める必要などないのです。
もちろん、きれいに話せるにこしたことはないのだけれども、別にアナウンサーのように美しく、正確である必要もないのです。
考えてもみていただきたい。
日本人でも平気で間違った日本語を使っているではないか。
必要な会話の中であれば、多少言葉が間違っていても相手は聞いてくれる。
外国人が話す日本語を多少おかしいと思いながらも理解してあげるように、外国人も私たちが話す英語を、たとえ拙くてもきちんと聞いてくれるし、頭の中で間違いを修正しながら理解してくれるのである。
言語の関して世界はとても寛容であり、私たちももっと寛容になっていいと思う。
なので、いい古された言葉であるが、「間違いを恐れずに話す」。
それが外国人と話す基本だと思います。
しかし、、
ビジネスにおいては間違ってはいけないことも多い。
特に「数字」については。
価格、納期の期日、数量などなど、数字は絶対に間違ってはいけない最重要事項です。
例えば、100個の注文に1000個送ったなどということがあっては大変です。
私が感じることではありますが、英語による数字の表現は難しいという実感があります。
例えば、1000は one thousand だが、1万になると、「万」を表す英単語がないため、ten thousand つまり「10×1000」という考え方をしなければいけません。
ここが、私にとっては感覚的にすんなりと受け入れがたいところでした。
ただコツさえ覚えてしまえば、それほど大変でもありません。
単純な話だけど、もし英語に不安があるのなら、英語のできる人に協力してもらえばいいということです。
それ以外でも今は、翻訳アプリやAIを使った翻訳機能、chatGPTなど、英語以外の言語でさえ解決できるツールはたくさんあります。
海外に目を向けてビジネスをする以上は、こういったツールをうまく活用していく能力も求められるということですね。