
該非判定の結果、輸出しようとする貨物がリスト規制(輸出令別表第1の1の項~15の項)に非該当だった場合、16の項にあたる「キャッチオール規制」該当するか否かを判断しなければなりません。
キャッチオール規制は、食料品や木材等を除いた16項品目をホワイト国以外の国へ輸出する場合について規制する制度です。
この規制の発端は、湾岸戦争終了後にイラクがリスト規制に該当しない製品で大量破壊兵器の開発を行っていたことが判明したことから導入されました。
このキャッチオール規制ですが、大量破壊兵器キャッチオール規制と通常兵器キャッチオール規制の大きく二つの規制がありますが、実務ではそのままキャッチオール規制と呼ばれています。
輸出しようとする貨物や技術が、以下に該当する場合に経済産業大臣の許可が必要となります。
1.大量破壊兵器等の開発・製造・使用・貯蔵に用いられるおそれがあることを輸出者が知った場合
2.通常兵器の開発・製造・使用に用いられるおそれがあることを輸出者が知った場合
3.経済産業大臣から許可申請をすべき旨の通知(インフォーム通知)を受けた場合
貨物の輸出や技術提供を行う際は、リスト規制とキャッチオール規制の両方の観点から確認を行う必要があります。

大量破壊兵器キャッチオール規制
大量破壊兵器キャッチオール規制の規制対象地域と規制の要件を以下の表に示しました。
規制対象地域 | ホワイト国以外の全ての国・地域 |
規制の要件 | ・大量破壊兵器等の開発、製造、使用または貯蔵 等に用いられるおそれがある場合(客観要件) ・インフォーム要件 |
客観要件
輸出する貨物等の用途と需要者(輸出するものを使用する者)について、輸出者の責任において客観要件を確認し、国際社会の安全性を脅かすおそれがないかを判断します。
おそれがある場合は輸出許可申請が必要です。
客観要件の種類 | 目 的 |
用途要件 | 大量破壊兵器等の開発等に使用されるおそれがないか用途の観点から確認 |
需要者要件 | 大量破壊兵器等の開発等に使用されるおそれがないか需要者の観点から確認 (例)開発を行う・行ったか、外国ユーザーリスト記載等の有無 |
インフォーム要件
輸出者において判断した場合の他、大量破壊兵器等の開発等に用いられるおそれがあるものとして経済産業省で判断され、経済産業大臣より、許可申請をすべき旨の文書による通知(インフォーム通知)を受けた場合も事前に申請が必要となります。
許可がない限り当該貨物の輸出や技術の提供はできず、許可されないこともあります(当該懸念が払拭されたときに限り許可される)。
通常兵器キャッチオール規制
通常兵器キャッチオール規制は、仕向け地により規制要件が異なります。
規制対象地域① | 国連武器禁輸国・地域 (輸出貿易管理令 別表第3の2) |
規制の要件 | ・通常破壊兵器の開発、製造又は使用に用いられ るおそれがある場合(用途要件) ・インフォーム要件 |
規制対象地域② | ホワイト国および上記禁輸国・地域以外 |
規制の要件 | ・インフォーム要件 |
貿易取引において正確に判断するためには、取引先の情報収集や社内の運用体制を整えることが輸出者に求めらており、判断が付かない場合は経済産業省へ相談が必要です。
都知木行政書士事務所では、該否判定書の発行・輸出許可申請・役務取引承認申請・各種法令確認・手続きの代行を都度又は一括で行っております。 お客様の輸出における手間や料金の見直しなど、ご相談からでもお気軽にご依頼ください。
お客様の要望にお答え出来る様 日々努力致しております。
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