
海外向け海上運賃の算出方法にはいくつかの基準と要素が関わります。
海上運賃は主に貨物の量や距離、輸送する場所(仕向地)の状況に応じて変動します。
ここでは、一般的な算出方法の流れを解説します。
1. 運賃の算出基準
海上運賃は主に以下の基準で算出されます。
- 重量トン(Weight Ton, W):貨物の総重量で算出する方法です。重量トンは1トン=1000kgです。
- 容積トン(Measurement Ton, M):貨物の体積に基づく算出方法で、1M3(立方メートル)=1容積トンとされます。
- 重量と容積の比較:船会社は重量トンと容積トンを比較し、単位運賃が高くなる方を採用します(通常、重量と容積のどちらが大きいかで料金が決定される「WH(W/M)レート」という基準が使われます)。
2. 基本運賃(Basic Freight Rate)の算出
基本運賃は、出発地から到着地までの距離や航路の状況、船会社の運賃設定に基づいて決まります。 たとえば、アジアから欧州への運賃と、アジアからアメリカへの運賃では異なる料金設定がされていることが一般的です。
3. 割増料金と割引
基本運賃に追加される割増料金には以下のようなものがあります。
- BAF(Bunker Adjustment Factor):燃料価格の変動に応じて加算される料金。
- CAF(Currency Adjustment Factor):為替レートの変動による料金調整。
- PSS(Peak Season Surcharge):繁忙期に加算される料金。
一方、複数のコンテナをまとめて利用する場合などには、割引が適用されることもあります。
4. その他の追加料金
運賃には、次のような追加料金がかかる場合もあります。
- 港湾使用料:港の利用にかかる料金。
- THC(Terminal Handling Charge):貨物の荷役や処理にかかる費用。
- ドキュメントフィーやセキュリティーチャージ:通関や書類作成にかかる費用が加算されることも。
5. 最終的な運賃の算出
上記の基本運賃と割増料金、追加料金を合計したものが最終的な運賃です。
6. 計算例
例として、1立方メートルの貨物をアジアから北米に輸送する場合を考えます。
- 基本運賃:100 USD/CBM
- BAF:10 USD/CBM
- THC:5 USD/CBM
- 合計:100 + 10 + 5 = 115 USD/CBM
このように、各要素を加算して最終的な海上運賃が算出されます。
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