
この仕事を始めてからというもの、喜ばしいことに中国の方々とお会いする機会が多くなりました。
この時期によく耳にするのが、中国の春節です。
今年の春節は数億人規模の大移動が予想される等といったニュースを聞いたことがある方もいるかもしれません。
経済効果もさることながら、各地の観光業や飲食業等も日本の長期連休以上に目を見張る部分があると思います。
旧正月・春節とは?
さて、春節と旧正月は、しばしば同意語のように扱われていますが、実はそれぞれに異なる意味を持つ言葉だということをご存じでしょうか?
まずは、それぞれの言葉の違いについて説明しましょう。
旧正月とは?
旧正月とは、日本が明治5年以前に採用していた太陰暦でいうお正月のこと。明治6年に現在日本が採用している太陽暦の一種「グレゴリオ暦」に改暦されてからは、太陰暦が示すお正月と区別するために旧暦のお正月を「旧正月」と呼んでいます。
グレゴリオ暦で言うお正月が「毎年1月1日」と決まっている一方で、旧正月は「1月中旬ごろから2月中旬ごろの間で新月になる日」が新年となるため、毎年日にちが異なります。
春節とは?
春節は、中国や台湾でいうところのお正月のことです。中国では1912年に新暦を採用していますが、中国をはじめ台湾、韓国、シンガポールなどのアジア圏では現在でも新暦のお正月ではなく、旧暦のお正月である旧正月を新年として重要視し、盛大にお祝いします。
この旧正月は国によって呼び方が異なり、中国では「春節」、韓国では「ソルラル」と呼んでいます。ちなみに先ほど少し触れましたが、中国では新年の前日である大晦日を含めて7日間がお正月休みとなるのが一般的です。
春節には何をしているのか?
旧暦のお正月である春節。どのように過ごすのか気になります。以下にどのように過ごしているのかあげてみました。
・家族や親戚と集まって食事をする
日本との正月と同様、家族や親戚が集まって一緒に食事をしたり、新年の訪れを祝うのだそうです。この時期は多くの人が実家に帰省するため中国ではこの大きな人の流れを「春運(しゅんうん)」と呼んでいます。
・お正月飾りを飾る
日本のお正月飾りにあたる「春聯(しゅんれん)」や「倒福(とうふく)」が家の玄関や扉などに飾られます。「春聯」は、家の玄関に貼る赤い紙のことで、縁起のよい言葉が添えられており、新しい年の幸せを願って飾られるそうです。
・子供たちにお年玉をあげる
こちらも日本の正月と同様、春節にも同じような文化があり、年上の人が年下の人に「紅包(アンパオ)」と呼ばれる赤い袋にお金を入れて渡すのだそうです。
・爆竹を鳴らす
日本の正月と違いがあるとすれば、春節には「爆竹」が登場すること。中国では、爆竹はお祝い事に欠かせないものとなっているため、至るところで爆竹が鳴ります。しかし近年では、防火や環境面への配慮から爆竹を禁止している地域もあるようです。
この春節の時期、日本では関係なく仕事をしています。逆にほとんどの中国の方や台湾の方はよっぽどのことでない限り休暇に入ります。なので、海外との取引で注意することではありますが、特にこの時期の輸出許可や役務取引許可の際、需要者の確認や相手方の署名資料で必要となる「誓約書(EUC)」等が必要になる場合には、事前に確認しておくようにしましょう。